造形作家・櫻井正一とコリーンの手漉き和紙の世界。廃材や古民具などの捨てられたモノを、独自の観点で再生の美に挑む。

櫻井 正一 さくらい しょういち
造形作家

1962年1月 東京下町に、組子建具職人の父とお針子の母の長男として生まれる。
その日本の伝統的な世界の良さがまるで理解できず、常にアメリカ文化に憧れを持ち育つ。
日本の風習にむしろ反発心さえ感じていて、ストリートダンサー、ホテルマン、クラブマネージャーなどを経て、20代終わりの頃 日本から飛び出し渡米。骨董商として数年間のアメリカでの生活により、外側から日本の文化を見直してみる眼が与えられたことと、日本の伝統工芸に強く関心を持っていた後に妻となるアメリカ人ジャズシンガー、コリーンとの出会いが大きな転機となる。
カリフォルニア州 ロサンゼルスで結婚。ともにアジアを巡り、その地の文化や手仕事に感銘を受け、帰国後日本の伝統文化や工芸への想いがつのり「モノ創り」に執着。1995年工房を開く。

この世に生まれ人々の生活を支えてくれたモノなのに、いとも簡単に捨てられてしまう役割を終えたモノたち。そこに新たな命を吹き込むが如く、再び美しく生まれ変わらせることは出来ないかと、人が目もくれない、捨てられて行く廃物たちに手漉きの和紙を融合させ、独自のスタイルの灯りやオブジェ、ジュエリーや衣服を仕立てるようになる。

造形作家として 作品の基になる素材を探すたびに強く思うこと、それはこのまま終わらせてしまっては ”もったいない” と感じるモノが本当に多すぎる、有りすぎるということ。
人から見向きすらされなくなってしまったモノからでも、素敵な何かを作り出すことは可能である。

” つまらなく終わらせたくない。”
モノであっても、事であっても、人であっても... 。

モノは何も生まれてきたとおりの姿でその命を終わらせてしまうことはない。

不用となり、忘れ去られてしまうばかりのモノたちを再び利用して新たなモノを創りだす、そこには次の世代に繋ぐ重要なポイントがあると信じます。
「 ”捨てない” 再生の美に挑む。」違う観点から見ることに より、傷み、汚れもまた景色として善しと、かつて日本にあったその文化に斬新なアイデアを加え創作活動を続けている。
個展は、アメリカ、 ヨーロッパと日本にとどまらない。

傍ではインターナショナルスクールにて小学生から高校生までアートクラスの講演をする。

2019年、ドイツでの創作活動から帰国して間も無く、3.5メートルの高さから落下する事故に遭い椎体を骨折。幸い下半身付随からは免れたものの、1年半もの間ベッドで過ごすこととなる。作品造りの出来ないフラストレーションが 終日の痛みやストレスなどの何よりも辛いことを知る。
事故後2回目の春が過ぎ、夏の訪れとともに気持ちをシフト。
まずは道具の手入れから始まり、大きな動きをしない小さな彫刻を。その喜びはリハビリを超えて新たな作品に変わる。
そして長い間乗ってあげられず動かなくなっていた錆びたオートバイたちにもスカルの彫金を施し、乗りまわせるまでに身体も復活。
鹿角彫りの野晒し髑髏の指輪、根付や緒締め玉などの提げ物から衣服、Tattooデザインに至るまで、45年に渡る髑髏好きが高じて、再び自ら独自の髑髏の世界を表現。
2021年、ブランド ” 櫻井髑髏 “ - SAKURAI DOKURO - を立ち上げる。
多くの作品は海外のファンやコレクターのもとへと海を渡るが、全ての作品はこれまで通りこの世に二つとない "One of a kind" の制作を続けている。



shoichi & Colleen
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